これまで日本中の300人以上の職人さんと会って来ました。素晴らしい人柄、かっこいい生き様と接することばかりでした。ただ素晴らしい物作りをされていたり、素晴らしい商品であっても売れていない現状も目の当たりにして来ました。
資本の論理でそれに耐えられる商品だけが多くの人の目に止まり、本当に良いものと出会う場が少なくなっているのではないか。今だけを考えた大量生産大量消費の商品ばかりになっていないか。本当に価値を伝えられたら、伝える場があれば、お客様も本当は本当に良い商品が欲しいのではないか。
神戸で小さな小さなお店を始めてから多くのお客様にもっと早く出会いたかった。こんな素敵な商品があるんだね、と言われて来ました。1人1人の職人さんが本気で考え、自分の美意識を表現した素晴らしい本当に良いものを届ける場を多くの人に見てもらえる場所ルクアイーレに持つ機会を得られました。本当にありがとうございます。
時間を超えて持続する価値ある商品を<本当に良いもの>と定め、日本のCraftman Shipを持続可能なものにしたいと思っています。
大きな歩みを進める前にもう一度、小売業とはなんだろう?と自分で振り返ってみました。色んなテクノロジーが進み、生活が便利になりました。ただ本質的な価値や豊かさよりもスピードや便利さや儲かるかどうか、めんどくさくないか、などで意思決定されているようにも思えてなりません。
小売業は生きるを学ぶもの。人ということを学ぶもの。だと思っています。自分の生活や自分自身をどう表現するのかと密接に関わっていて、その人を分かり、その人の豊かな未来と価値観や思考の軸を提供するものだと思っています。非常に難しいものであり、人間力が磨かれる商売だな、と思っています。
フリースピリッツでは生きるを感じる財布やスマホケースなどの革小物とトートバッグやビジネスバッグを販売しています。
ネットショップも大変便利ですし、フリースピリッツもネットショップを運営しています。なぜ店舗を出していこうと思っているかというと、人と人のつながりを重視して、価値観を共有することを目指しています。私たちの価値観や商品の価値を分かっていただけるお客様の顔が見える範囲での商売を強化し、理想を分かち合いたいと思っています。
フリースピリッツのコアパーパスは「働く」を「楽しく」、「働く男」を「かっこよく」です。「働く」というのは、仕事とか労働というのではなく、自分ができる限りのことで周りの人のお役に立つことを意味しています。周りの人のため地域のため未来のために自分ができることを精一杯やることがみんな楽しいと感じるようになれば良い世の中になると思っています。
また「かっこよく」というのは外見のことではなく、内面のことを示しています。自分の軸があり、主義主張があり、周りの人に感謝され、憧れられるような人が増えると良い世の中になると思っています。
本当に良いものを通して、そんな価値観を共有できたら嬉しいな、と思っています。
日本の職人さんが作る本当に良いものは分かりにくいです。パッと見た目では分かりません。有名ブランドみたいにロゴが入っていたら分かる!というものではないのです。だから売れないし、売りにくいのも確かです。
だからこそしっかりお店で長い時間をかけてでも価値を伝え、内面的な美、精神の中に宿る美を伝えることができたら良いな、と思っています。私たち販売の者も商品のこと伝え方のこと勉強しながら、毎日お店で素敵なお客様が来ることを楽しみにしています。
長々と書き綴りましたが、これがフリースピリッツという革小物や鞄を中心とした雑貨屋を大阪で運営する想いになります。